カーボローディング 

マラソンを走る際の主なエネルギー源はグリコーゲンです。

カーボローディングとは、グリコーゲンの素となる炭水化物を、
レース前、体内になるべく多く蓄積させるための食事法です。

以前はレースの1週間くらい前から食事の献立から炭水化物の量(割合)を減らし、
3日くらい前から逆に炭水化物の量を増やしてグリコーゲンの
体内蓄積を助長する方法が主流でした。

しかし、最近はカーボローディングに1週間もかけることは少なくなり、
1週間前はトレーニング量を減らすだけで通常の食事をとり、
3日くらい前から食事の内容を炭水化物中心にするという方法をとることが多くなっています。

その理由は、トレーニング量を減らすだけでも体内にグリコーゲンは蓄積されるからです。 
初心者向きのカーボローディングの方法ですが、一流ランナーはマラソンを2時間余りで走りますが、
初心者はゴールするまでに長時間を要します。

また、エネルギーを効率よく使える体質になっている一流ランナーに比べ、
初心者は効率がよくないばかりか、長時間に渡って運動し続けるため、エネルギーを多く必要とします。 
したがって、グリコーゲンの素となる炭水化物のほか、
1g当たりのエネルギー量が多い脂肪も重要なエネルギー源となります。

レース数日前から炭水化物を多く含む、ごはん、めん類、パンなどに加えて、
脂肪も多少は摂って、エネルギー源として利用します。
脂肪とグリコーゲンを同時にとれるメニューとして、カキフライがあります。

カキはグリコーゲンを多く含んでいる上、フライにすることで脂肪も同時に摂ることができるのです。 
また、レース中もエネルギーの補給を忘れてはいけません。
チョコレートやあめ玉を補食してもいいし、エネルギーゼリーなどを摂っても良いでしょう。

ところで、一流ランナーでも全てのランナーがカーボローディングをしているわけではなく、
ランナーによってもその方法は様々です。

マラソンレース前だから必ずこういう食事でなければならない……ということではなく、
自分に合った食事法を見つけることが大切なのです。

河合 美香 (立命館大学非常勤講師/2003年4月よりびわこ成蹊スポーツ大学専任講師)

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